スキーマ療法実践ガイド スキーマモード・アプローチ入門

スキーマ療法は、境界性パーソナリティ障害(BPD)をはじめとするパーソナリティや対人関係に長期的課題を抱えたクライエントを対象に、アタッチメント理論,力動的アプローチ,ゲシュタルト療法を有機的に組み込みながら構築された、認知行動療法をコアモデルとする統合的アプローチとして知られる。そして、幼少期の感情欲求が満たされなかった結果生まれる「早期不適応的スキーマ」を、本人のライフヒストリーを通じて明らかにし、密接な治療関係と協同的な臨床技法を駆使して、スキーマの「呪縛」からの回復を目指す。ジェフリー・ヤングの「バイブル」=『スキーマ療法』(金剛出版[2008])では「オリジナルモデル」と「モードモデル」が提唱され、前者は「特性」を見るモデル,後者は「状態」を見るモデルとして、この両輪が当事者の回復に不可欠とされる。4つのモードのカテゴリー(チャイルドモード、非機能的コーピングモード、非機能的ペアレントモード、ヘルシーアダルトモード)は、さらに10のスキーマモードに分類され、各モードへの対応が個別に設定されている。この個別のケアが「モードワーク」と呼ばれ、適切なケア、感情欲求の承認、安全・安心の提供を通じて、当事者の内なる「ヘルシーアダルトモード」(健全な大人のモード)を育てていく。「モードワーク」は、セラピストが当事者の「養育者」となってケアする「治療的再養育法」と並んで、本書のポイントとなる。ジェフリー・ヤングのスキーマ療法を理解し、よりよく臨床活用するためのプラクティカルガイド!






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