非行少年の立ち直り支援

非行要因は、犯罪に繋がるような気質面や発達の遅れ、価値観など本人の要因に加え、家族との関わり、本人が受けてきたしつけ、教育など、家族や社会という多様な側面から捉えられる。本書は、三十余年にわたって家庭裁判所調査官として少年事件に関わってきた著者による、非行少年の立ち直り支援への有益な提言である。非行少年の抱く疎外感情とそれを生み出す社会からの排除、そして社会は何故非行少年の受入れに難色を示すのか、著者はこの二つの視点から、少年・家族と社会の関係性の欠如を考察し、「人を組み入れた立ち直り支援モデル」を提唱する。臨床心理士、精神科医、家庭裁判所調査官ら、非行臨床に携わる対人援助職にとって有益な実践指導書となろう。






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