
不測の衝撃 最新大災害メンタルヘルスケアガイド 危機介入に備えて知っておくべきこと
本書は災害メンタルヘルスのさまざまなトピックを取り上げ、こころのケアに携わる人々に向けて、災害精神科医により書かれた1冊である。5つのパートから構成されており、第1部の「準備」では、災害救援に関わる際の健康上のリスクやコミュニケーションの方法、セルフケア、災害救助システムを取り上げ、いかに災害救助に適切に備え、効果的に参与していくかを紹介する。第2部の「アセスメント」では、自殺の危険性のアセスメント、メンタルヘルス問題のスクリーニングをとりあげ、さらに子どもと家族、医学的に説明不能の症状や困難患者、特別な層、死別について解説することにより、災害に対する行動、感情反応の正常と異常のスペクトラムを正しく理解し、災害時における特別な対象のニーズを正しく理解することを目指している。第3部の「介入」では、サイコロジカル・ファースト・エイド(緊急心理処置)、支援者との協働、社会的介入、心理学的介入、精神薬理学、コラボレーションケア、スタッフへのサポートを紹介し、国際的観点について述べることにより、治療的なガイダンスを提供する。第Ⅳ部の「特別な問題」では、新たに現われた領域である遠隔地ヘルスケア、法的責任問題、倫理といった重要な課題を改めて提示し、「エピローグ」では、ある初期治療臨床医の経験を、災害後の生活のフォローアップ、レジリエンス、回復の形で紹介し締めくくる。本書は、不測の事態に対応する組織的訓練のマニュアルでもあり、一般知識人、組織、社会的リーダが知っておくべき知識が満載されている。
- 著者:フレデリック J.スタッダードJr./ クレイグ L.カッツ/ ジョセフ P.メリーノ/ 精神医学振興協会/編 小谷英文/監訳 東日本大震災支援合同チーム/訳
- 発売:2014年09月
- 出版社:金剛出版
- 価格(税込):3,300円
(版元品切れの際は、入手できませんのでご了承くださいませ。)