自閉症世界の探究 精神分析的研究より

本書はメルツァーによる自閉症臨床研究の成果をまとめたものである。事例検討は何年もわたって行われ、また週4・5回のセッションの記録を記載しているので、精神分析だけではなく、自閉症の子どもの観察記録としてみた場合にも、貴重な資料となることは間違いない。難解であるが、本書を読み進めることにより、自閉症自体がいったい何なのか、という問いを私たちに引き起こし、深い理解が促されるであろう。精神分析の流れにおいても、自閉症の理解と治療的アプローチの流れにおいても、重要な研究文献となる一冊である。






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